2012年9月24日月曜日

平清盛パブリックビューイング@銀座TAU

9月23日 平清盛パブリックビューイング@銀座TAU
19時会場 19時半開演 20時~ドラマビューイング「殿下乗合事件」 20時45分~21時半 トーク



7時に会場入り。指定席でした。席にはポストカードセットのおみやげあり。とてもうれしい…。

いそぴーとスタッフさんの前説。(ちょっと中座したので細かいことあんまり分かりません)
会場風景といそぴーのみ撮影OK、加藤さんは役者さんだから駄目、他のスタッフは一般人だから駄目、と。

磯「ドラマのPVというのは珍しい試み。NHKのドラマは放送時に撮影が終わっていることも多く、現場に視聴者の声が届かないが、大河ドラマは長いため徐々に盛り上がって、視聴者の声を現場に伝えて、現場からも何かを返すことが出来る」

ここで会場内に貼られていた盛絵の紹介。全キャラ入れたかったので倍率の高いキャラがいる。手作業で刷った。NHKは人が多いと思われてますが意外と少ない。自分の絵が貼られているという方が名乗り出る一幕も。


ここでいそぴー、台本を手に取る。今日は殿「下乗合事件」ですが、次回のサブタイトルは大河史上最も長いです。台本の表紙にも入り切らなくて2行にしました。

ここから先、公式の実況と重ねてレポります。赤が公式、黒が追加。
事実(だったと記憶していること)をメインにレポるので、口調が違います。実際はもっとゆるいです。

【いそPです】さあ、このあたりで、本日のゲスト・加藤虎ノ介さんの登場です。 #NHK #平清盛
加藤さん登場。黒いバンダナを巻き、グレーのインナーに白の開襟シャツ。後ろの方の席だったのでそこまでしか見えません。

【パブリックビューイング実況】加藤さん・いそっぴぃで、和気藹々と盛絵を拝見しています。 #NHK #平清盛
本日はおいでくださいまして~いえいえこちらこそ~みたいなゆるっとした会話があり、西光が描かれた盛絵(の入ったクリアフォルダ)プレゼント。
その場で広げて、格好良く描いてくれてますねとか、4コママンガがあるなど、ゆるーーーーく盛り上がる。

【パブリックビューイング実況】加藤さん、最近「実際に剃った」ということで…ぺろんとご披露いただきました!会場からは大きな拍手が!!!

虎「途中まで特殊メイクだったんですが、動きが激しくなるとズレるので、剃っちゃう?と。ちょっとネタバレですね。自分でも、特殊メイクの時と自前の時との境(ドラマ上のどこで変わってるか)がわからないです」

【パブリックビューイング実況】加藤さん「この番組は、人間の業が描かれていて、久しぶりにドーンとくる作品です」

虎「オファーが来る前から平清盛は見ていた。人の業を描いていて、久々にドーンと来る作品だと思っていた」

【パブリックビューイング実況】加藤さん「本人の中では、師光の頃と西光の頃では、特にお芝居は変えていません。信西のもとにいた頃よりは、政治家として大きくなっているので、そういう意味ではドーンとしていると思います」 #NHK #平清盛

磯「師光から西光に変わって、演技は何か変えました?」
虎「特に変えてはいませんが、西光になって後白河の側近となったことで、政治家としての存在感は増している。参考にした人は特にいないが、「ホワイトハウス」という映画の、トミー・ジブラーは西光と似ているかも。口が悪く、理想家」

【パブリックビューイング実況】加藤さんと磯さんで、考証と役作りについて熱いトークが繰り広げられています。交渉の先生から「自分がずっと研究してきた謎の人物が、こうして肉付けされて…」と喜んでおられたそうです。 #NHK #平清盛

虎「儀礼交渉の佐多先生とは西光をトークをさせてもらった。西光は悪いように描かれがちだが、これは後の時代に西光が都合の悪い人物だったからでしょう。彼は反清盛をはっきり打ち出せる筋の通った政治家だったと思う。佐多先生も、自分がずっと研究してきた謎の人物が、こうして肉体を持って存在していることを感慨深く思ってくださった」
磯「西光トークで盛り上がる人たちってあんまりいないよね」
虎「こんなにフューチャーされることもあんまりないですね」
磯「これからブレイクしていきますよ」
あと、柘植さんと西光のビジュアルを作るとき、髭はつけたいと言ったそうな。(メモに主語がないのですが、多分加藤さんが言った)

【パブリックビューイング実況】磯P「師光から西光で演技を変えていないというのは、脚本の時点からキャラクターが一貫していたということですか」加藤さん「そうです」という貴重な話が…。 #NHK #平清盛

(さっきと似たような話をしていたような)

【パブリックビューイング実況】後白河・成親・西光の関係について、裏話も交えてホットなトーク中です。 #NHK #平清盛

虎「成親役の吉沢君とは非常に楽しく演技している。36話(前回)の成親とか好きですねー。『小物が…』って吉沢君自身も成親を楽しんでいる。この二人は本当に相性が悪いし、ウマが合わない。その二人が一緒にいるから面白い」
磯「その対照的な二人を側近にしているあたりで後白河の器の大きさがわかります」
虎「松田くんは…法皇様だなぁと。独特のオーラが」

【パブリックビューイング実況】一昨日クランクアップされた、ということで加藤さんに大きな拍手が。しかし「まだ終わったという感じはしないですね。番組全体が終わらないと…」だとか。磯Pいわく、「後を引く番組」と、豊原さんも同じようなことを言っておられたそうです。 #NHK #平清盛
磯「重盛役の窪田くんも、明日から現場に来ないのが寂しいと言っていました」

【スタッフです】ツイッターからの質問に答えて、加藤さん。「常に、信西がそばにいる、という気持ちで演じています」とのこと。 #NHK #平清盛

虎「西光は『こんな時に殿がいればどうするか』というように、常に信西が側にいるような気持ちで演じています」
あまりにきれいにまとまったので、会場が「おお…」とどよめく。加藤さん若干のドヤ顔。
で、言葉を継いで「でも、あんまり役者がどう演じているかとか、どうでもいいんです。見ている方が感じたことが全てです」

【スタッフです】ツイッターからの質問に答えて、加藤さん。「着物の芝居ですが、貴族の衣装は本当に重たいので、つまづき率が高い」とのこと。松山さんも同じことを言われていたとか。 #NHK #平清盛
虎「法衣になったら楽になりました。これは松山君も同じだったそうで。吉沢くんなんかはずっとあの衣装だったのでかなり慣れています」
(ネタにされるほどもたついてたのは師光だけだったよと言いたい)

よどみなく喋っているようですが、この間にも「うーん(上を向く)」「……(目線が左→上→右と巡る)」「!(顔くしゃで笑う)」など、表情はかなり動いていました。
基本的にいそぴーが話がうまいので、いそぴー喋る、加藤さんが相槌と捕捉とトーク、間、いそぴーまとめる、でした。あまり話は広がらない。
時間が近づいてきたので、いそぴーと加藤さん下手にハケて本盛待機。

【パブリックビューイング実況】いよいよ平清盛パブリックビューイング開始。会場のモニタをNHKに切り替えたら、ダーウィンが来てました。みんなでダーウィンを見るのは不思議な気分…。 #NHK #平清盛


が、ダーウィン終わったらニュースになったので会場どよめく。通常通り始まって一安心。
磯「西光は今回の話ではあまり出てこないが、反清盛の勢力がうごめき出すのが今日。また、藤本さんは二つのエピソードを繋げて1つの大きな話に構成するのが上手く、今日もその構成です」

**********盛り中。周新のリアクション、麿たちの顔芸、京本さんのアイメイクの濃さのあたりで会場から笑いが起こる。

【パブリックビューイング実況】拍手に包まれ、37回終了しました!テロップが入らなくてよかった、と磯Pがほっとしています。 #NHK #平清盛

磯「ドラマを見ている人の生のリアクションはなかなか見られるものではない。非常に興味深い」

【パブリックビューイング実況】加藤さん「二代目の苦労が伝わってきた。大変でしょうね、ああいう父親をもつと」とのこと。 #NHK #平清盛
虎「いや~~~…二代目の苦労が伝わってきました…。大変ですよねぇ、ああいう父親を持つとね…」(という感じだった)

【パブリックビューイング実況】加藤さんと磯で、役者論について。「なりきる」ということについて、上川さんからいただいたコメントなども交えつつ、熱く語っています。
磯「加藤さんとお話しさせていただくと、非常に俯瞰的な視点を持っているというか、冷静にいろんな所を見て自分の役の立ち位置を考えているところがあると感じる」

虎「そうかもしれません。基本的にあんまり役になりきるって感じじゃないので」
磯「それは山口県のセミナーで上川さんも同じ事を言っていて、演じる役がピーマン大好き、対して自分はピーマン大嫌いだったら共通点の見つけようがないと」
虎「あんまりなりきっちゃうと、西光みたいな人はちょっと恐いかもしれない」(※このコメントは自信ないです。
憑依型の役者じゃないよ、という感じの話)

【パブリックビューイング実況】磯P「西光は、このドラマではど真ん中を生きているところがある。激動期を近いところで見ていた人物」 #NHK #

信西、清盛、後白河といった、中心人物の傍らにずっといた人という感じの意味合いでした。

【パブリックビューイング実況】加藤さん「松山さんは非常にまじめな俳優さんだと感じます」磯P「自分の中でいろいろと工夫を入れている」

虎「松山くんは…ほんと真面目っすよね」という感じの言い方だった。ような。
磯「年取った清盛もいい。松山くんは三船敏郎が自分より年嵩の役を演じた時の老け演技を参考にしたそうです」

【パブリックビューイング実況】磯P「阿部サダヲさんとはどうでした?」加藤さん「演技の話はしなかったですね(笑)」 #NHK #平清盛
虎「あ!演技の話したことあります。師光を演じてた時は、もうずーっと殿ばっかり見てたんですけど(会場笑い)、それをモニターチェックの時に阿部さんが『見てるねぇ…』って言うんで、『見てますよ』って」

【パブリックビューイング実況】磯P「これからの西光のみどころや、演じていてここが面白かった、みたいな話は」加藤さん「普段は割と気のいいおじさんなのかな、と思ったシーンがありました」 #NHK #平清盛

【パブリックビューイング実況】磯P「西光は信西をただ尊敬していただけでしょうか?というご質問が」加藤さん「尊敬しただけではないって…なんでしょうか(笑)一言で言うと尊敬なんですが、こういう人が国を治めるべきだと思っていたんでしょうね」 #NHK #平清盛
虎「尊敬しただけではないって…(質問の意図がわかったのか苦笑)。尊敬以外に何があるんでしょう」
磯「尊敬ってだけでも割とすごいよね、人間関係として」
虎「この時代はいろんな人がしてますけど…(信西と師光が)いわゆる男色っていうことなら、ないですね」
磯「この人(どっちを指したか分からない)はほんとに男色の記述がないんです。政治一筋の真面目な方だったようで」

【パブリックビューイング実況】磯P「声を落としての演技は喉に負担がありませんでしたか、というご質問が」加藤さん「現場のコーンスターチによって、すんごい負担になるときがあります(笑)」
磯「気を付けます…」

※ぽんぽん答えているように見えますが、いざ質問、という段階になってからTLを遡っている(らしい)ので、ぴんとくる質問を探すのに手間取る。
画面には2カラムで、1カラムに「@nhk_kiyomori」のTL、片方が公式の自ツイートが流れていましたが、磯&虎の見ているPC画面には他のものも映っていた…のか…?
事前にもらった質問、ある程度まとまってないの!?と思った。この辺あまり手際よくなかった。何があったか存じませんが。

磯P「剃った後と前で心境の変化は、という質問が」加藤さん「自分の人生でいらないものがそぎ落とされたような…すっきりしましたね。目を合わせてくれる人が少なくなりました」 #NHK #平清盛

虎「剃ったって…師光から西光へ?さっきも言いましたがあんまり変化は…」
磯「ご自身のじゃないですか?」
虎「ああ」→上記の答えへ。

【パブリックビューイング実況】つるつるのカツラ(?)についてトーク中です。 #NHK #平清盛
磯「かつらは特殊メイク。本人の頭蓋骨の形に合わせて作るので本人にしか合わない。薄いシリコンの膜がぴったり張り付く感じで、皮膚呼吸が出来ず、非常に暑い。スタジオ内も照明などで暑いので大変」
虎「朝入ってカツラつけて、夜遅くまで撮影だと、ぼーーっとしてきますね」

【パブリックビューイング実況】会場からのご質問も受け付けています。一発目、すごく良いご質問なのですが、ちょっとネタバレっぽいので書きにくい感じです。また機会があれば…!
※TL遡る時間がないね、じゃあ会場に振りましょう。という感じ。会場の人もツイートして質問してね!って感じだったのですが、このへんパタパタしていました。
鹿ヶ谷関連の質問でした。○○のことを考えていたんですか?→そうです、けど見ている方が感じることが全てです、というような答え。

【パブリックビューイング実況】どうして成親とこれほどの生き方の差ができたのか?というご質問。磯さん「成親のこと、嫌いではないんですよね」加藤さん「嫌いですよ(笑)」と、会場からも大笑いが…。 #NHK #平清盛
これは私が聞きました。師光は信西に心酔していきますが、理由は一切描かれていなかったので「家成の息子として、貴族社会の中で成り上がっていく成親と、かたや学問に傾倒した信西に心酔する師光、この生き方の違いはどこから来ているのか?」というような意図でした。
虎「まず師光は阿波の豪族の息子から家成の養子になっている。成親とはそもそもの立ち位置から全く違う。成親はエリートコースだが、師光は北面の武士などをしていて、あまり恵まれない境遇にいた。信西も同じで、才能はあるけども境遇に恵まれなかった。師光の抱いていた野心が、信西を心酔していった要因なのではないか」
磯「成親も師光も、野心はあるんですよね。表し方は違いますが。西光も成親のことは嫌いじゃないですよね?」
虎「いや嫌いっすよ」
会場笑い。

ちなみに上記の文章はですね!加藤さんがこっちをじーっと見据えて答えてくれるので、まぁ半ば覚えてません。でも「野心」「似た境遇」は言った。

【パブリックビューイング実況】信西の最後のシーンについての質問。そこでの心情は?とお客さんから。加藤さん「逆に、どう感じましたか?」お客さん「もう、心情を考えると涙がこぼれて…」加藤さん「まさにそのとおりです」 #NHK #平清盛
磯「このシーンですが、師光が信西の最後を見るのは地上と穴の中なので、通常は別々に撮ります。が、演出の考えもあり、このシーンは一緒に撮りました」

(→阿部さん、このシーンは途中で撮影抜けて舞台に立ってきたとか言ってなかったか…!?ともあれ長い中断があったはずで、え、えええー!?と思いました)

なお、加藤さんは「あんまり演じたときの心境とか聞かれてもあまり意味がない、見た人の感じたことが全て」と繰り返し言っていたのもあり、質問返しが恐かった。
ぐりっとした目で、質問者に「どう感じました?」って聞くんですよ!いやーこわいわー。

【パブリックビューイング実況】磯P「大河の中でご自身の性格に近い人物はいますか?というご質問」加藤さん「ネタバレになっちゃうので…笑」 #NHK #平清盛
虎「うーーーん…。いるけど言わない方がいいんじゃないかな…?いますけど、今後の展開になるので、ネタバレになっちゃいますし」

実況でツイートされなかった質問いくつか。
「福原にいましたが、あれは信西が夢見たことで、でもあの大輪田泊を作ったのは清盛で、心中複雑じゃないですか?」
虎「複雑です!」(もうちょっと色々言っていた)

「西光は現時点で何歳の設定なんでしょう?(年齢不詳人物なので)」
虎・磯「えっ幾つだっけ」「台本台本」「全部描いてあるんです、乙前は最近書かれなくなりました」
虎「えーと、47。くらいかと。」(すいませんうろ覚え。でも40代)
磯「成親よりずいぶん年上の設定なんです」
虎「ええと、ほんとにいいですか?これが質問でいいですか?」

「朝子に『我が夫・信西の言葉だと思いなさい』と言われてヘナヘナになってましたが、どういう心情だったんでしょうか」
虎「『そ、それ言うー!?』って感じですよねぇ。それを言われたら何も言い返せない。今風に言えば、『それを言っちゃあおしめぇよ』ですかね」
(どこが今風だ)
虎「その直前に、清盛相手にキリキリしてたので余計にこう。ぷつんと」

「磯さんが西光の役に加藤さんをキャスティングした理由を教えてください」
磯「加藤さんは師光から西光へと変化したときに演技を変えていないと言いましたが、端から見るとかわっているんですね。師光の時は信西を信奉する無邪気で人のいい面があるが、西光になるとクールに変わる。この変化をブレずに演じてもらうために、両方の面を持っている加藤さんにお願いしました」(こんな感じの話)
「オファーを受けてどう思われましたか?」
虎「いやあ、ありがたいなぁと…。ありがたい、しかないっすよね」


ここで時間終了。
非常にアットホームな感じでした。役者とPがいるとは思えないレベルのアットホームさでした。
パブリックスペースに椅子を並べただけなので(段差なし)映像が見にくいのもご愛敬でした。なにせドラマ再生中にバックヤードでバタバタ音がしたりとか。
質問事項があらかじめまとまっていないなど、手際の悪いところもありましたが、NHKの外で、初の試みで…という部分を踏まえると
特に大きな混乱もなく成功したという点で、よかったのではないかと。
ともあれ、非常に楽しい2時間半でした。素晴らしい機会をありがとうございました。




2012年9月20日木曜日

上川さんメモ・おまけ

我ながらちょっとどうかと思うおまけ。

清盛セミナーin山口(ゲスト:平盛国役・上川隆也さん)


※台詞として書いてある部分、まんまじゃないです。ニュアンスを保ちつつ編集しています。
 こんなことを言っていた、程度に思ってください。
(分かり切っての事でしょうが、けっこうニュアンス違いって重要だと思うので。特に上川さんの場合)

<会場前>
11時15分に会場に到着。エントランス前に大河関連のパネルが3枚6面に展示されており、ロビーには既に30人ほどが並んでいました。
前の方の人は9時(会場が開く時間)に来たらしい。場所取り用の椅子やら荷物やらをきっちり用意してあるあたりプロファン(造語)ぽい。
マダムとロマンスグレーが中心でした。
1時15分ころ開場。

1時30分。NHK山口放送局のアナ登場。
はよ上川さんを!上川さんを!!と思ったら、NHK山口の新入社員(営業担当)がステージに出てきて
「緊張してます!NHKは秋から受信料が下がります!NHK山口をよろしくね!」というご挨拶があり、
山陽小野田市の市長挨拶、NHK山口放送局長の挨拶と続きます。
なるほど地域セミナーってこういう感じなのかー、と思っていたら、市長のコメントが非常に面白かった。
このホールは小さいですけど音響効果のいいホールなんですよー、という話からはじまったのですが、徐々に
「今日はなんと上川隆也さんがおいでくださってます。早い方は新幹線で来て9時から並んでいらっしゃるとか…」
(ここで開場の大部分の人々からどっと笑いが起きるが、前列のあたりは無言。なぜなら自分たちがそうだからです…。笑えよッ!
「わたしも上川さんは『大地の子』から非常に好きで」
「盛国がどうなるのか楽しみですね」
…この市長、ふつーに平清盛見てて、ふつーに上川さんのファンですね??と思った。

で、局長のご挨拶があり、満を持して上川さんといそぴー登場。まずは舞台の前の方でご挨拶。

司会「山口県の印象はいかがですか?」
上川「受信料が下がるんだなぁと…」
会場の笑いを取りつつも、緊張した面持ち。マイクを持ってない左手が、お尻の後ろでソワソワしていました。
上川「映画の撮影で錦帯橋に来たことがあります。車で関門海峡を渡ったこともありますが、その時はこの大河のお話をいただく前だったので、あの海に今後、深田恭子さんが身を投げられるかと思うと、感慨深いものがありますね」

いそぴーにも同じ質問。「ドラマをやると何かと山口県に縁がある」という話をし、毛利元就と龍馬伝の両方に上川さんが出たことにも触れて「上川さんは普段トークとかあんまり出てくれない人なんですけど、山口県ってことで来て貰いました」

ご挨拶が終了し、おのおの着座。…なんですが、上川さんは司会のアナの前を横切るときに会釈し、椅子に座る時に一礼し、このほんの数秒で好感度をガンガンに上げていた。おそるべし。




<現場について>
司会「上川さんは4度目の大河ドラマ出演ですが、今回の現場の特徴というか、違うなぁと思うところはありますか?」
上川「平家に限ってのことですが、ヤローばっかりなんで、男子部活のノリがあるというか…。今流行ってるのは『男気じゃんけん』です。勝った人が負けた人全員にジュースをおごって「男気」を見せなければいけないという」
司会「男気じゃんけん(笑)」
上川「第7回まで開催されていて、結果が張り出されているんですが、現在のところの最多チャンピオンは鈴之介です。男気じゃんけんなので、負けたとしても喜んではいけないんですが、彼はよく負けた時に『よしっ』と喜んでしまって、再度じゃんけんに加わらないといけなくなったりしてます」

<上川さん起用の理由>
いそぴー「自分が助監督を務めた『毛利元就』で上川さんは大河に初めて出られたので、所作指導や殺陣指導などの時にずっと一緒にいまして、自分がいつか大河をやる時には出てくださいという話をしていました。
今回は主役の松山君が27歳と非常に若いので、主役経験者に支えて貰いたいという希望があり、前半は中居貴一さんに、中盤以降は上川さんにその役をお願いしようということでお願いしました」
上川「僕自身はあまり支えているという感覚はなく、一緒にお芝居を楽しんでいるという気分です。松山君の役者としての芯がどんどん太くなっていくのを横で見ているのは、こういう言葉が適切かどうか分かりませんが、とても楽しいですね」

<盛国の役作り>
上川「盛国はあまり歴史上に出てこない人物です。だからこそ今回の脚本でも漁師から取り立てられたという自由な描き方をされています」
いそぴー「何をしたのかどういう人物なのかよく分かっていませんが、清盛のことを調べてくると、まわりでよく盛国の名前が出てきます。重用され、親しい人物だったのではないかと」
上川「役作りのとっかかりにしたのは、『清盛が盛国の自宅で死んだ』ということです。どういう理由で盛国の家で亡くなったのかは分かりませんが、あれだけ権力を誇った人が、最期の場所として盛国の家を選んでいる。その二人の距離感から盛国像を作っていきました。また、これは現場に入ってからですが、忠盛が清盛に対して『鱸丸は軸が出来ているから船上で転ばない』というシーンがあったので、鱸丸は軸をブラさない男でいこう、と」

<衣装について>
司会「弁護士や医者などの役が多い上川さんなので、漁師の役というのは意外でした」
上川「自分は漁師の役そのものに抵抗はないですねー。この衣装は驚きましたが。もともとは平安時代の普通の庶民の格好を考えていて、一度それで衣装合わせも終わっているんです。なんですが、僕のあとに鱸丸の子役時代を演じる子の衣装を決めて、その時に髪を下ろしたんですね。で、『上川さんもこれでいこう』ということになり、一からやり直しました」
司会「戸惑いは…」
上川「正直、戸惑いました。半裸ですからね…。やばいぞ、と」 
(→やばいって単語使ったー!!と思った)
いそぴー「それから体を鍛えたんだっけ?」
上川「見苦しくない程度には…」(←とメモってありますが、どうやら「誹られない程度には」と言ったようです。そしられないって。)

<ネーミング>
いそぴー「盛国というのは、清盛を原点に立ち返らせてくれる存在です。これから権力者になって、いきすぎの面も出てくる。そこに盛国がいることで、それを知らせてくれる」
鱸丸という名前は、平家物語で、熊野詣に行く平家の船に、鱸が飛び込んでくるという段があるんですね。そこから脚本の藤本さんがつけました。鱸というのは吉兆です」
上川「その
鱸は清盛に食べられちゃうんですけどね」 (→食べられ「てしまう」でもなく、食べられ「た」でもなく、食べられ「ちゃう」ってあたり、萌え
いそぴー「鱸丸が平家に繁栄をもたらすという感じでしょうか」
上川「たいらげられちゃって…」 
(→さりげなく上手いことを言う上川氏。これはちゃんと覚えてます。言いました。)
いそぴー「(上川さんの駄洒落がさりげなさすぎて一切気づかないまま)清盛は特異な人物なので、周りには清盛の考え方が分かりづらかったりします。でも、盛国を見ていると、清盛のことがわかるようになっています。視聴者と清盛をつなぐ役割を担っていますね」

この辺りで、鱸丸が平家の一門になるまでのダイジェスト映像が流れますが、「そんな脳内で再生可能な映像わざわざここで見てもさぁ!!リアル上川さんがいるんだから!なんか喋ってくれ!発声練習でもいいわ!!」などと思いつつ本人ばかり見ていた。
と、上川さんは自分の前にあるペットボトルの水を自分のグラスに注ぎ、次にいそぴーのグラスに注いでいた。戸惑ういそぴー。そりゃあ一人一つグラスとペットボトル用意されてんだから、戸惑います。

映像明け。

<小舟の練習>
司会「いかがでした?」
上川「いかがと言われても…自分のしたことですし…
いかがもへったくれも。でも松山くんはすごく変わりましたね。まだ少年のあどけなさがあって」
いそぴー「清盛と鱸丸が船の上で会話するシーンは、櫨で船をこいでいるのですが、今ああいう漕ぎ方が出来る人は日本に少ししかいません。クランクインの前に、上川さんには一人だけ一日早く入って貰って、練習してもらいました」
上川「最終的には、自分の行きたい方向に行けるようになりましたね」
いそぴー「あのシーン、簡単そうに見えますが非常に大変な技術がいります。撮影しているスタッフの船と撮影している小舟は全く繋がっていません。そして瀬戸内の海は潮の流れが意外と早いんです」
司会「この時期ですよね?炎天下の中、練習は大変だったでしょう」
上川「でもね、こういう(ジェスチャー)公園で乗るようなボートにすると、清盛と
アベックみたいになっちゃうし」 (→アベック…)
いそぴー「櫓を漕ぎながら演技もするというのは、本当にすごい技術なんです。日本で唯一なんじゃないかな?」
上川「履歴書に書けますね」
いそぴー「別の人に漕いでもらって、編集でつなぎ合わせることは出来ます。が、このドラマは極力そういうことをしていません。流鏑馬のシーンなども役者さんに演じてもらっています」
司会「なるほど、あの櫓を漕いでいるのは上川さんご本人なんですね。ちなみに松山さんも本物ですか?」
上川「(体を向けて)あの、それ本気で質問してます?このシーンで松山くんが演じないメリットが、どこに?」 
(→手厳しい上川ツッコミ入ったァァァ)
司会「すいません、本物ですよね」
上川「ええ、あの、お考えの通りです」


<盛国の役作り>
上川「鱸丸から盛国への変化は、視聴者に無理なく見てもらえるよう、鱸丸をあまりワイルド
(「粗野にしない」と言いかけて、いい言葉が見つからず、「ワ…ワ、ワイルド」と言っていた)にしないように演じました。これは清盛の物語で、盛国の変化にあまり物語を費やすことは出来ないので、あまり無理なく武家社会に馴染めるような要素がもともと鱸丸にあった、という設定にしました。清盛と付き合う中で、武士としての何かしらを掴んでいったのではないかと。脚本にはそんなこと全然書いてないんですけど」
いそぴー「脚本にないことを役者さんが埋めてくれるのはありがたいですし、さすがですね」


<松ケン清盛>
いそぴー「清盛がわりととんがっている人なので、共感して貰えるように盛国がいる。清盛も松山君も支えてくれるのが盛国であり上川さん(的な感じのことを言ったような)」
上川「そんな感じはないですけどね。松山くんは撮影に入る前に平家物語を全部読んできて、とても緻密に考えて演技をしています。なおかつ、現場では演技を変えてくる(※別セミナーにて、「松ケンはテイクのたびに演技を変えると評判」と言う話があったのと同じですね)。緻密、かつ、大胆です」

いそぴー「盛国自身も変化していく訳だけど、その辺の役作りはどうしているの?」
上川「いつの間に磯さんが司会に。盛国は清盛に従ってきたというより、併走してきたと思うんです。共犯者というか(※この単語を使ったかどうか曖昧です)盛国は漁師なので、清盛について走っていける基礎体力があったんでしょうね。ただ、盛国ももう歳をとっていますから、明子が死んで半狂乱になった清盛を力ずくで抑えたようなことは、もう出来ないでしょうから、別の方法で清盛を止めていくと思います」
いそぴー「そうだよね、64で死ぬもんね」
上川「えっ、僕、74歳だと思ってました」
いそぴー「いや64歳だよ」
上川「そうでしたっけ?」
いそぴー・上川「………」
上川「いややっぱり74ですよ、だって僕もう60近い役柄演じてますもん」
いそぴー「ああ盛国のこと!?ごめん清盛のこと言ってた」
上川「ですよね!?」

この辺でもう一度映像が入った記憶。「清盛を支える盛国」がテーマ

いそぴー「説明台詞ばっかり言わせてるね」
上川「もりもりもりもりしてますよね」
いそぴー「医者とか弁護士とかの役が多いからつい上川さんに難しい台詞を振ってしまうけど、こうして土台がきちんとしているから他のメンバーが安心してコメディをやれています。どうやって台詞覚えてるの?」
上川「普通です、台本読んで…。普通に」

<現場の裏話>
いそぴー「月曜がリハ、火曜~金曜で朝10時から夜中1時2時まで撮影して、1日あたり10分の映像が撮影できます」
上川「朝8時に入ってカツラを着けて衣装を着てメイクをして、10時に撮影開始という感じです」
司会「準備の時間が長いですね」
上川「ハイビジョン撮影なので、髭も一本一本載せたり、カツラも全部を覆う全鬘ではなく半鬘というものを着けて自分の生え際を生かしたりしています」
司会「その間に台詞を覚えたりしているんですか?」
上川「覚えてきますのでそれはないです。リハーサルが1日ありますし。だいたいは『昨日なに食べた?』とかそんな話を」
司会「そうなんですね。ちなみに上川さん、昨日は何を」
上川「聞きたいですかそれ? …お魚をいただきました」
司会「待ち時間も長そうですね」
上川「控え室では武士がステラ読んだりマンガ読んだりしてますよ。待ち時間に台本開いてる人は見たことないです」
いそぴー「若手の役者さんは直前まで台詞確認したりしたいでしょうけどね、盛国が台本開いてないと他の人は開きにくいですよね(笑)」
上川「じゃあ台本読むようにします…」
いそぴー「しかも『男気じゃんけんしよう!』なんて」
上川「誤解のなきように言っておきますけど、僕が発起人じゃないですよ!松山君です!


<そのほか、従者盛国についての諸々(メモがあんまりない部分)>
・盛国は平家の一員と雖も一人だけ身分が低い。清盛と後白河が話している時などは間に入れない。それでも清盛の側にいるというのが大事。
・ただ側にいるだけだけど、それが重要で大変。
・(盛国と自分の共通点を聞かれて)自分との共通点を見つけて役作りをするタイプではない。例えば自分がピーマンが嫌いとします。でも演じる役はピーマンが大好物。そこに共通点を見つけられるかというと、無理ですよね?全く別物として演じてます。
・とにかく清盛の側にいる。台詞がなくても、立場的に会話に入れなくても、側にいる。そして、特異な清盛と周りとをつなぐ伝達役をする。盛国は清盛の原点として常にそこにいて、清盛がいきすぎた時はそれを知らせてくれる。 
(→見てわかっちゃいるけど凄い設定)


<質問コーナー>
(3人、テーブルを離れて舞台の前の方へ)
司会「質問のあるかたー」
(ぱらぱらと手が上がる)
司会「どうぞ(上川さんに振る)」
上川「えっ?僕が当てるんですか?じゃあそこの…」
質問者「『龍馬伝』で中岡慎太郎を…」
上川(びっくりした顔する)(『平清盛』と表示された後ろのスクリーンを指さして)「たいらの、きよもりーー!!(小声で)」
結局「中岡慎太郎に平盛国に、その他いろんな時代を演じているけど次はどんな時代がいいですか」という質問。
上川「こればっかりは、自分で決められるものでもないですよねぇ。でも、毛皮一枚で駆け回るような役はちょっと…(笑)」

次はいそぴーが当てる。「忠度が入ってきたとき盛国だけ抜刀したのはアドリブか演出か」という質問。(とてもいい質問だった…)
上川「これはリハーサルの時に自分から提案しました。他の皆は直衣になっていて、すぐに抜刀できる状態ではない。なら盛国ならどうするか、と思ってのことです」

次は上川さんが当てる。とても笑顔のマダムが当たる。
マダム「平清盛ではなく上川さんにお伺いしたいのですけど」
上川「平清盛のことにしてください
マダム「(気にせず)『大地の子』で素晴らしい中国語を喋っていらっしゃって~~~~~~~私も今中国語を~~~~~~とても難しくて~~~~上川さんの発音は完璧で~~~~~~~~」
(このへんで上川さんがずーっと「ヒー!」という顔をしているのがめっっちゃ可笑しかった)
司会「あのっ、あの、質問は」
マダム「あらごめんなさいね大ファンなのでつい。どうやって中国語を覚えられたのでしょうか」
上川「僕は中国語を覚えたと言うよりも、台本に書いてある台詞を中国語の先生に吹き込んで貰って、それを丸暗記しただけで」マダム「(割り込み)まぁそれにしては素晴らしい発音で」「……なので撮影がカットになって中国の方から中国語で話しかけられても一切わかりませんでした。…これでよろしいでしょうか?」
マダム「まぁ…そうなんですね、いや本当に中国語の発音は難しくて、今じつは娘が北京にいるんですけども」
上川「あの、喫茶店で二人っきりでお話ししてるわけじゃないですからね!?

上川さんは多分(平清盛を目当てにセミナーに来ている人にはすごく申し訳ないこの状況!!どうしよう!!)と思っていたんでしょうけど、私としては上川百面相が見られてすっごい可笑しかったです。
自分で当てたのもあるのか、「ヒィィィィ」って顔してた。可笑しい…。

最後は拍手で退場。いそぴーが普通にハケていくのに対し、上川さんはターン&会場全体見回し&お辞儀、の舞台俳優コンボを華麗に決めてハケていった。なんという上川隆也。


以上、上川ファンによるとても不真面目なレポートでした!



おまけ
上川さんの可愛かったところ
1)序盤は落ち着かないのか手がそわそわしていた
2)話す時に前のめりになると靴のさきっぽが上がった
3)2度ほどマイクのお尻に腕時計をぶつけて『ゴンッ』→「あっすごい音が。すいません」
4)トーク中に赤ちゃんが泣き出し、「どこかなー」という顔できょろきょろする
5)質問コーナーの途中でも泣き出し「僕は赤ちゃんが気になるんですけど、大丈夫ですかね?」
なんか他にもあった気がします。気が向いたら書き足します。



書き足し(9/20)
上川さん、盛国を指して「平家の面々が賑やかにたくさんいる中で、存在感なく盛国もいる」という文脈で「枯れ木も山の賑わい」発言をしていた。どこが枯れ木だよ!!常緑樹だろうが!!!